春眠/楢山孝介
 

頭が少々重く
風邪気味であったので
目覚まし時計をかけずに
ゆっくりと眠ることにした
そのままうっかり百年間眠ってしまった

百年後の人類は
ファッションや顔色が少しおかしくなっただけで
まだまだ充分人類だった
エアカーもタイムマシンも出来ていないことに
僕は少しがっかりした

百年間の世界の動きを知るために
図書館で新聞データを閲覧していたら
ふと、眠る前に買ったロト6の数字を
思い出したので調べてみた
(いつも買っている、自分の誕生日と
 好きな野球選手の背番号を組み合わせたもの)
調べると、何と四億円当たっていた
払い戻し期限は当然とっくに過ぎていて
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