当たり前、が/山中 烏流
朝が欠伸をして
太陽を連れてくる頃
夜は目を擦って
6:00の地平に沈んでいく
太陽が生まれるずっと前から
月が引っ張られるずっと前から
それは、
変わらない奇跡
当たり前になったサイクルを
朝は破り捨てたいらしい
だけど
結局変えられずに
今日もまた
夜を待っている
朝が来れば
夜も来るんだよ
君が居れば
僕が居るのと
同じように
そう言って笑うのは
朝だったか、夜だったか
人だったか
はたまた、世界だったかは
覚えていない
けれど
朝は
全てを照らすために
やってきて
夜は
全てを許すために
やってくるんだよ
と、言ったのは
人だったかな
(確か、君)
当たり前のように産まれて
生きているからこそ
気付けた奇跡、なんだ
きっと
また夜が来て
明日、朝が来た時に
当たり前が続くこと
幸せと感じるなら
それこそが、
人の。
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