The soft feather story ?/優羽
 
ゆっくりともう一度相手をみて、次は視線をそらさなかった。
目から涙が零れ落ちた。
(あぁ、なんて優しくも寂しい目をしているんだろう。)
緊張の糸が切れたらしく、赤ちゃんのように泣きじゃくった。
どちらともなくぎゅっと抱きしめあった。
何も言わなくても互いのことはわかった気がした。
そして天使は他人の愛を、悪魔は幸せというものを初めて知った。
少しして泣き止んだ後、互いの顔を見て今度は微笑みあった。
手をしっかりつないで、2人は1つになった。
もう2人には晴れわたった空しか見えていなかった。

 トントン、トントン。
一度も開いたことのなかった扉があけられた。
ここは地球の記憶が集まる場所。
そうして神はまた「存在」しはじめた。
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