「 会話を書く。 - 前編。 - 」SATP.Vol.11,/PULL.
 



『彼は絶望に口をふるわせ、
 まるで禁断の果実を口にするように、
 それを言うのだった。』

このような象皮病的描写を、
会話のアクセントや締めとして挿入するのは、
時として悪くない。
だが、
ひとつひとつの会話が終わるごとに、

『あえぐように、』
『取り憑かれたように、』
『激しく興奮して、』

などと挿入するのは、
自ら創り上げる虚構の虚を暴き、
読者を興ざめさせるだけだと、
きみも思わないだろうか?。


「いいか?。
 おれは本気だ!。
 今すぐお前の首をつかんで、
 この手で絞め殺してやってもいいんだぜ。
 わかったらそのくさい
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