The soft feather story ?/優羽
? Devil's story
あるとき、白い羽の悪魔がいた。
生まれたときから白く、両親にさえも
「汚らわしい」と言われ、愛を知らずに育った。
誰も信用できなかったし、信用しようとも思わなかった。
自分さえも信じられなかった。
自分が悪いと言われるので、そうだと思っていた。
それしか知らなかったからだ。
怒りも悲しみもすべて自分にぶつけた。
体も心もボロボロだった。
ある日、ふらふらと歩いていたら、
広場から笑い声が聞こえてきた。
覗いてみると、みんな笑顔で幸せそうだった。
幸せを知らないその悪魔でも何故かそれを羨ましく思った。
そして初めて考え、気づいた。
ここに自分の幸せはないのだ、と。
この世界に何も未練はなかったので、
すぐに地球へ飛び立った。
地球に着くなり、もうあの世界へは決して戻らない、と
誓いと共に片羽を千切り落とし、歩きはじめた。
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