ノルウェイの森/はじめ
 
とした葉の色の濃いノルウェイの森の前に立っているのを想像する
 辺りは暗くてぽっかりと開いた黒暗暗たる森の入口から一歩も動き出すことができない
 これは君の呪いだと思う
 いい意味でも悪い意味でも
 森の奥にはもう何もないことは知ってるよ
 でもこの入口の前に立つことによってあの頃の僕の感情を思い出させる
 忘れてはいけない大切な感情
 森の奥で確かに君はピアノを弾いていたね
 日溜まりの中のグランドピアノ
 僕は君のピアノの調律していた
 嬉しくて 嬉しくて 君を愛することが掛け替えの無い生きる喜びだった
 この君の聖なるバックコーラスで僕は空に昇ることができる
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