回帰線/はな 
 
うな電灯や
ただあおい
そらにそびえてゆく
貸しかんばんの かぜにふかれて白く鳴る
その、音に


無色の世界が
染まりゆく 背中で
むずむずとゆれる
いろづいてゆくときには
ほほに
さくらあめを、降らす
わだちは濡れていろどりを増し
あしもとで
まだ ぐずつく



そっと
ふみこえていった線のさきに
あの日があり
雨が降り
足下まで 続いていた



最近 
春があしもとでのびちぢみして
ひまそうなので
わたしもたまに 屈伸する}


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