凶器/HEDWIG
こんな昼間だったかもしれない
風は鋭く凍ってたけど
僕の叫びは呟きでも鋭すぎて
他人(ひと)も物も僕をも傷つける代物でしかない
柔らかな言葉に憧れる
僕が死んだら殴ると言ったお前
「殴れよ」
何時(いつ)だって僕の叫びは鋭い
僕の葬式など行かないと言ったお前
「別に良いよ」
何処だって僕の呟きは重い
こんな風が吹いていたかもしれない
空は水色ではなく紫だったけど
僕の叫びは呟きでも鋭すぎて
他人(ひと)も物も僕をも傷つける凶器でしかない
包み込む言葉に憧れる
遙かな帰り道に放った言葉
「バーカ」
何時(いつ)だって僕の叫びは血塗れ
もう骨でしか無くなったお前を
抱いて
それでも僕の叫びは呟きだった
こんな色の空だったかもしれない
風は初秋を告げてたけど
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