もう昔の話/
柴田柴助
もう昔の話
私は今、2丁目には住んでいない。
他の誰かが2丁目に住んでいるのだと思う。
2丁目の私
2丁目の私は
当時3丁目の彼に恋をしていた
なぜか
3丁目の彼の住所を空で言えるのは
まだ3丁目の彼からの傷が、癒えないからだと思う
私心の的を射った、もう行ってしまった昔の話
当時2丁目に住んでいた私は
3丁目のに住んでいた昔の話に
まだ、恋をしていた
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