絆/川口 掌
も 小さな命
が生まれた
あたしたちには
もう とっくに
お互いを 振り向かせる
力が残っていないのに
小さな命は
なりふり構わず
あたしたちに訴える
小さな命 の精一杯の
叫びに 答えるために
あたし達は 命の
側で鉢合わせする
そんな事が増えてた
あたしたちは
二人足しても特別には
なれなかった けれど
小さな命は
二人の絆を 思い出させてくれる
特別な存在だった
夢や理想では
ないかもしれない
けれど
大切にしたい
守りたい
という気持ち
単純だけど大事な事
抱きしめたい
と思うこと
あたしとあんたと
小さな命の 絆
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