花瓶の花/鯨 勇魚
 
窓際の花瓶に挿した花を想うと
降る雨の着水点はまあるくて
本当にまあるくて
揺れる心も
みずたまりの世界の中だけでも
空から降る生命の一滴

内側からでしょうか
包まれたいと
願う湿度は高めの部屋で
世の中を閉じ込めた花瓶

水の揺らぎはありますか
流れはありますか

散らせたくない花びら

つれてきてください
たくさんの涙でもいいのです
つれてきてください

情態に想わせ想像すること
思い込ませること信じること
事実を知ることで
雨降りの地球ぐるぐるまわり
時折のやさしさに出会い
きびしさを感じながらも
涙の海にかこまれてもいた

ゆらな
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