滲むパズル/晴れるひと
 


君と僕が肩寄せて
おびえてたのは
壊れそうな小さな真実
どうしようもなく愛を形にしたくて
重ねあわせるパズル
完成したと思っては
水に滲んでしまう
涙さえ枯れて

ガラスみたいな雨
しゃらしゃら
降りつもる欠片達
液化する前に掬いたいのだけど
指の間からひたり
すり抜けていく恐怖

小川に映る影がひとつ
髪を撫でると懐かしい匂い
ひとつひとつ笑顔が
剥がれていく過程を
僕は見ていた

僕たちはたくさんの
扉を開き壁を越え
つながり愛しあい
確かめあった
日々をくりかえし
そんな日が永遠に続くような
そんな気がしてた

小川に映る影ひとつ
君の放つ矢があまりに深く
刺さってしまった
けして後悔ではない
それに似た何かが苛ませる夜

ガラスの海に沈む
僕たちの未来
違えたパズル
けれどその記憶は其の侭に


さようなら、

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