マンゴームーン/船田 仰
多すぎる荷物から
ぼくに届け物があって
そこに宛名はない
マンゴーの月が、
高度をさげる
失速した被造物のあつまりが
またたくような夜に
吐き気をおぼえたりする
きみの虚像を打破する
べつに朝は走ってきたりしないし
ぼくだって走ったりしてないんだよ
両肩と右腕で
大丈夫、とあらわす
なやみといえばこの口から
闇が飛び出してこないことくらいで
ねえ嘘言いました
と、微笑むきみにすら宛名はないらしい
多すぎる出来事から
ぼくに伝言があって
こたえる義務は特にない
マンゴーに反射する
いつものひかり
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