マンゴームーン/船田 仰
 
多すぎる荷物から
ぼくに届け物があって
そこに宛名はない
マンゴーの月が、
高度をさげる

失速した被造物のあつまりが
またたくような夜に
吐き気をおぼえたりする
きみの虚像を打破する
べつに朝は走ってきたりしないし
ぼくだって走ったりしてないんだよ

両肩と右腕で
大丈夫、とあらわす
なやみといえばこの口から
闇が飛び出してこないことくらいで
ねえ嘘言いました
と、微笑むきみにすら宛名はないらしい

多すぎる出来事から
ぼくに伝言があって
こたえる義務は特にない
マンゴーに反射する
いつものひかり
戻る   Point(5)