「かまわない」/広川 孝治
 
花が散るなど構わない
心に焼き付く姿があるから

年を取っても構わない
過ぎた季節だけ利口になるから

夢破れても構わない
敗れるほど膨らませたのだから

壊しちゃっても構わない
見えてなかったものに気付ける

無駄に生きて構わない
積もる腐葉土大地を肥やす

成長なくても構わない
目を見開いて見つめておれば

浮いちまったって構わない
それがどうした文句があるか

わかってくれなくて構わない
これは悲しみの涙じゃないから
ただ今は独りが良いだけ

何がなんだって構わない
だって地球は今日も回る
誰がどうなろうとぐるぐる回る

独り愚痴ったって構わない
ほんとは陰で聞いてくれてる

むかついたって構わない
星が見通しほほ笑んでいる

飲み過ぎたって構わない
頭痛の上に昇る太陽

生きていたって構わない
例え寝たきりで動けなくても

生きていなけりゃならないんだ
あなたを求めているのだから
望まれているのだから

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