帆がたなびくなら/maynard
躍動の風が
生い茂る森を抜け
黄金色の穂をそっと揺らして
この海に波を起こして
この帆まで届くなら
そっと優しく受け止めて
時の航海を始めようじゃないか!
でも届かないだから
この綺麗な静かな海に
取り残されたままなんだ
自力で泳いでも
どこかに辿り着く前に
海の藻屑となるだろう
だから祈るしかない
信じる物なんて無いのだから
海に出たのに
祈るべきではないんだろうけど
祈らずにはいられない
どうやら神に祈っても
足りないようだから
悪魔にも祈ってみた
神は呟くんだ
「汝、私があなたを愛した様に隣人を
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