「 春はつらつら。 」/PULL.
かつてワイシャツ族であった頃には、
それなりに損害も受けたのではあるが…。
世を忍ぶ仮の姿の現在進行形では、
それもなく、
ただ袖擦れ違うだけの関係を保っている。
だがいつの春か、
胡椒よりも鼻にむずむずくるようであれば、
それが問題になるのかもしれないが…。
さて、
まだ続ける。
春といえばやはり春眠である。
なぜやはりなのかと問われれば、
やはりなのでやっぱりやはりなのである。
春はそれはそれはもう呆け者なので、
ぐうぐうと眠ってしまうのである。
例え眠っていなくても、
眠っていたことにしてしまうのである。
これは事実の隠蔽であるが、
なにせ呆け者の
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