シャルトリューズ/鯨 勇魚
しばらく朝陽を見送り、
白い。と、湿る風の音。
下る方向は波の、
あがった場所から、
身体という入れ物から、
くだり、くだり。
ぷらう、ぷらう。
陽光を移し替えている。
見上げ、高い場所で、
吹きのばした香り。
空が光って青いとき、
この桜と、この桜。
ぱしゃ、ぱしゃ。
今年のおしまい。は、
どちらが先かしら。
あんまりにも、あおく、
ひかって、うるんで、
さくら、透かすから。
両手で、掬って、
あたしの入れ物に、
ひとゆびずつ、一滴ずつ。
溢れ出すぎりぎりか
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