冷たい月/キメラ
 

そんな気持ちのまま立ち尽くし、サイレンのドップラー効果が現実と虚構を行ったり来たりしている。

少女はもういない。
男はもう一つの角を曲がることなく、そのままアパートへと引きかえした。
玄関の鍵をあけ無言のままリビングへとすすみ、フローリングに寝そべると、
あの少女が枕をあててくれる。


きっとすべては冷たい月が魅せたゆめさ
ついさっき出会ったばかりの少女がえいえんになる。




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