冬の終わり/頃日/結城 森士
 
そう言って泣くけれど
誰だってやがて消えていく
貴方に傷つけられた人の事を思うとき
僕は冬を疎んじる
貴方は何も言わずに
消えてしまえば良い

空から一滴の涙が零れ落ちる

美しい夢、美しい夢、美しい夢、美しい夢


 いずれ壊れていくことを知っていながら
 なぜ変わろうとしないのか
 そのままの状態でいては
 今後も人を傷つけていくであろうことを
 知っているはずなのに









「頃日」

失う日は失う日の中で
ゆっくりと失っていく
僕の歩調は、感覚を持ったことがない

暮れていく何かに終焉を見ていた
目の前には、孤独な影が細長く伸びている

幸せの人が通り過ぎる
僕は彼の姿を見つめながら
初めて後ろを振り返る
大きな円形の光と
そこに向かって伸びていく道と
一つの細長い影
それは彼にとって
始まりなのだろうか

僕は細長い影と共に
再び終焉を歩み始める
感覚を持ったことはない


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