歌う時計/ぽえむ君
 
時計は歌いたくなった
毎日あまりにも同じリズムなので
いつもとは違う
もっと波打つような
そんなメロディーを求めた
いろいろな楽譜を見ながら
自分に似合う曲を選び始めた
秒を刻む歌よりも
心を刻む歌がよい
そんな想いから
一つの曲に針が向いて
熱心に練習を重ねた
音程は難しく
かなり苦労していたが
時計は音の長さに
とても正確に歌っていた
時計は歌うことに必死になって
すっかり時が経つのを忘れていた
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