僕は神様/はじめ
があった人があろうことにも例の悲鳴女子だったことを薄目で前髪と砂利の隙間からはっきりと確認することができたのだった。しかし、再び彼女の方へ目をやると既にその場には姿はなく、眼球を左右にずらしてあちこち見てみると少し離れた場所で倒れていた。しばらくすると彼女は背の高い野球部の男子生徒に背負われて、数人の女子生徒等に付き添われながら校舎へと続く砂利道を葬列のようにゆっくりと進んでいった。彼女にとって、この僕の転落事故の一部始終をリアルタイムで見ていたことはあまりにも刺激が強すぎたのかもしれなかった。
しばらくざわついていた後、ドーナツを食い荒らす腹ペコな蟻のように、野次馬をかき分けて僕のクラスの担
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