「春風」/
ソティロ
ぼくは
それでどこかへ
ここではないどこかへ
行ける
深く
そんなオブセッション、の甘み、に
抗うだけの、
ちからもなく
今日
でもあいにく今日は
そんなこともなく
遠くの方で
薄汚い埃が舞って
低空に雲も多く
伸ばしたような
水彩の水色
捨ててしまった、絵の具の
そして
ずいぶん前から
詩を知ってしまっていた
ごうごうと
つよい風が
建物に
打ち付けていた
ぼくは救われなくて
少しわらった
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