「仇討」/ゆいしずと
 
人を殺したことがあるかい?

いつも背負っているわけではない
日常の中では忘れかけている
それでも忘れちゃいけない
道徳的な話なんかじゃなく

決して黙って殺されているわけじゃなく
時々私を殺しに来るから
それも執拗に
何度でも

恨んでいないと言ってほしいのか
許すという言葉を聴きたいのか

そんなつもりでもないんだが

人殺しが見る夢を知っているかい?

決して悪夢ばかりではない
うなされることも度々は無い
冷や汗をかくほどでもないのだが
いやな心残りは確かにあって

いつかは自分が殺されるのを
受け入れてはいる

まあ、全然ニヒルじゃない
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