コーラ/黒い鴉
いざという時 言葉がでないのは
喉が渇いているからなんです
一滴の水でいいから
すごく濁った水でもいいから
・
町の明るさに怯えてしまって
町の外れでうずくまる君
ほうっておけないと思ったのは
一滴の水が流れたから
・
それは僕にもある僕なりの考え
でも君にもある君なりの考え
『私は汚れてしまったから
もう
こんな手じゃ誰にも触れない』
・
ずいぶんあきらめの悪い僕
『やらしいね
偽善者のつもり?』
『もういいでしょ
何様のつもり?』
『あなたは
なんにも知らないくせに』
・
吐き出す罵詈雑言 その分だけ
ずっと震えていたんだね
よく知ってるよ 君のこと
少なくても
ずっと喉が渇いてたってこと
・
嫌になるまで 空になるまで
分け合い 飲み込む 濁った水
残った空のビン
底が見えたお互いの人間
ほら なんてことはないでしょ
想うところは同じなんです
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