優縁台/チグトセ
 
けれども
あなたは不幸なんだろうね

今僕は
あなたに待っててくれとすら云えない僕は
三回目の春をどうにか順調にこなしています
そして同じ場所でもう一度
何かをつくろうとしている
今、その不安な蓋然性がすべてを支えている
僕の本は世界地図を支えている象(亀だったかな)
僕は世界地図の端の滝から
海が流れ落ちないように
必死でダムを造り続けている作業員(の下っぱ)
そしてやっぱりサメに襲われていて
食い殺されそうなのを必死にこらえてる
だけどまだ頑張ってる
ある特定の商品として生きていく
その唯一の僕の道を確保すべく
こうなりゃサメの歯を端から一本ずつ引き抜いてや
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