馳せれば/maynard
お前のボスは誰なんだ?
俺と言う意識は日に日にぼんやりしてくる
俺の目は次第に焦点を誤るようになる
例えるなら狂気映画に入り込んでしまったような
自分の見え方が抽象的なんだ
そのうち自分を失った事にすら気づかなく
誰かのシンパになるのはごめんだ
気付いてみればそんな奴らは
俺にとってカサブタの様な物だった
純真と言う傷を癒そうとぴったりと俺に張り付いて
探りを入れていたなんて
思い返せばおかしな話だ
ウズウズとそれはなんだか
不浄だと知っていたような
堪らず引き剥がした
ある意味それが自らを固く閉ざそうとしている鱗の様に
今や俺は到達し、居てはならない所に居る
聞こえてはいけない物を聞き
見付けてはならない物を見ている
今更ながら解っている
現実が余りにも汚れているのを
そしてお前など存在しない事を
お前など誰かのシンパでしかない事を
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