記憶/はな 
 

すきとおったなつを
かんむりにして
あなたのひたいに ひやりと 付けると
ちゃんとかぶせて と
あなたは脹れた


ゆうだちがきて
あなたは
地面にあたる むすうの
流れ星のようなあめを見る



息苦しいのは
気温が高すぎるせい、だろうか
ソーダ水を
ゆびさきですこしずつととのえて
かいがら、
ちいさな海を抱いて

眠っているあなたのみみに当てると
ざーん ざーんと
しあわせそうにつぶやくので
そのままにして
僕も眠る


いつも見えたもののそばに
もっと ほこらしいものがねころんでいた きがする
風が強くて
眩しくて見えずに

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