メロンパンの呪い/壺内モモ子
お昼休み。
いつものように、手作りのお弁当をふたつ持って、中村先輩がいる3年4組の教室に入る。
だけど、中村先輩はいなかった。中村先輩だけじゃなくて、他の人も誰もいなかった。
学校の前にメロンパン屋の車が来ているのだ。窓の外を見ると、物凄い数の行列ができている。私以外の、この学校にいる人全員が、メロンパンを買いに行ったのではないかと思われる。先輩も、きっとメロンパンを買いに行ってしまった。かわいそうに、きっと変な呪いをかけられてしまったんだ。
いつものように、先輩の机と、前の人の机をくっつけて、二人分のお弁当を広げて先輩を待つ。先輩のカバンの中から、クロスワードパズルの本を取り出し
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