誰も寝てはならぬ/はじめ
誰も寝てはならぬ さもないと死神のトゥーランドットがケタケタと白骨の顎を鳴らし笑いながら大きく鋭利な鎌を振り上げて魂を奪ってしまうぞ
さっそく眠り込んだ者がいるな ほぅ 狐の親子か トゥーランドットの鎌から逃れたければ 他の者の魂を捧げるがよい 必死に起こそうとしてももう遅い 蒼白い月の光で魔力の宿った呪われた闇の向こうからほら馬の足音が聞こえてくるだろう 完全に白骨化した馬の背に乗って 我らが呪われし中国の姫君 トゥーランドットがやって来たではないか!!
泣き叫んでいるのは二匹の子の魂を奪われた狐の母親か もっともっと泣き叫べ!! そして嘆くのだ 何故子の魂を理由も分からなく刈られたの
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