桜、炎上/橘のの
 


 *



花は
斜陽に灼かれ
  焦がれる音色、



ぐすぐすと、

春の夜の匂い



 *



散りながらも、
  果て知らぬ増殖




 化け物め



 *



手を振る者のあはれ、


 ふり向く な、

   癖になって
    止ま らん  ぞ



 *



いろはにほへど
ちりぬるを
わがよだれぞ

つねならむ



 *



桜舞台の影に、
   またひとり



踊り子の顔はもうない



 *



花散って
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