自殺/ピッピ
 
血まみれの手だというのに
どこにも手形をつけることができない
快晴の空をみて奴らはにこにこしている
誰にも干渉されないってことが
多分あんなに嬉しいんだろう
コンクリートが冷たいと分かる
背中に血が通っているんだ
誰にも気にされないまま
誰からも見られていた背中だ

これからもうすぐ死ねるな
どこかでショックがあって
それからぼくはどこかへ行く
生きている奴らの足音が聞こえる
と思ったけれど
死んでいる奴らに足音などない
足音が聞こえるなら
それは命があるってことだった

心は
暴走し続けたまま終わることはできない
それは文字であり思想であり
何らかの形
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