kiri/
水町綜助
の前にして
この夏のさなかで
割れて粉塵を舞わせるような石灰の町に
投げられた太陽の
その閃光に区切られたままで
間抜け顔がむつかり
そうして降り出した
天気雨が
焼け切った路上を叩き
降り注ぐ端から
乾ききっていくが
ふりつづけるから
ふりつづけるから
白い煙をたてながら浸りきる
あとには
つちのかおりが匂い立ってゆく
匂い立ってゆくだけ
それを口を開けて嗅ぐだけ
おれは
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