漂/蒼依
左手の小指がなんだか痛いなぁ
きっと通りの黒猫が死んで居たせいね
滲んだ掌の赤い血が眩しいなぁ
辛い位に生きてる証拠を突き付けられる
ダンボールに詰めた記憶は何処かなぁ
すっかり燃えて灰になって消えたのよね
走ると速まる鼓動が憎いなぁ
銀色の釘なら吸血鬼（ドラキュラ）も眠るのに
衝動が収まらないわ
花火に仕舞い込んだら綺麗に爆発するのかしら
笑っちゃうわ馬鹿みたいね
七色の飴玉でご機嫌が治ると信じて居るのね
面白（おか）しいわ癖なんでしょう
前髪を引いて嘘を隠そうするのお見通しなのよ
この世は黒と赤のコントラスト
眼に映るのは其れだけと知っているでしょうに
未だ私に白昼夢を魅せようとする貴方
鬱陶しいけど幸運と受け取るわ
其れが在るから未だ現実に溺れられる
戻る 編 削 Point(0)