俳句の授業?/
カスラ
母親は、
『椀を持ってはおりませんどうかこの手へ下さいませ。』
そう答えると、僧は一瞬とまどったがもとの押し黙った表情に戻り、煮えたぎった粥をその白く痩せ細った両のうてなに注ぎ再び合掌した。
数日後、あの幼子は誰かに引き取られたのか姿は見えない。この寺からいくばくも離れていない街の裏小路に息絶えた母親の顔は眠るように安らかに見えた。
無辺の器となり放哉の受けたものを見ている。
…§…
戻る
編
削
Point
(1)