虹色の飴玉/知風
きっとみんな真面目なんだろう
だけど勤勉になれなくて
万年ゼミのように都会の巣穴に
隣の木の根をかじっている
そうかと思えばいつだって
やる気と自信に満ち溢れた人々が
業界トークに花を咲かせて
正しい社会的あり方で頑張っちゃってる
ティッシュペーパーのバラの花束は
僕の憂鬱の素なのに離れられず
楽しき日々の後の永遠の別れとか
冒険とか酒場の一夜とか
そんなものばかり消費している
携帯電話は定額制にしたけど
インターネットは光回線にしたけど
つながるところは西暦二千年代のどこかで
二つ目の人生すら広告に埋もれるのか
虹色の飴玉はそっとしまおう
舌の上にとろけるほどに悲しい
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