理想の教育/ぽえむ君
ある学習塾の学生講師は理想に燃えていた
自分の抱いた教育を実践しようと
会社で用意した教材は一切使わない
会社に残り家でも考え
時には大学の講義も放棄して
自分で作成したプリントを配っては
その信念を行動に現していた
全ての費用を会社が負担していることを
理想の下に打ち消した
親はすでに教材費を振り込み
生徒はいつかは使うかもしれないと思い
いつもかばんに入れて
重い荷物で通っていることも
彼の理想の範囲ではなかった
彼の理想に反して現実は
生徒の成績は変わらなかった
彼は彼なりの原因を考え
新たなプリントを作り始めた
会社で渡された教材は新しいままだった
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