夜が明ける頃に/鋼鉄漢
月が照らすだけの何の変哲もない住宅街の真夜中の風景
それはどんな偉大な芸術も敵わぬ美しさ
永久に続くかのような静寂
新聞配達のバイクの音がそれを引き裂く
それはまるで壮大なオーケストラのようで
もうすぐ夜が明ける
何かが失われてしまう
それは哀しみ
それは憎しみ
哀しみは何を教えてくれたのだろう
夜明け前の公道の走り方を教えてくれた
憎しみは何を教えてくれたのだろう
明け方の路地の歩き方を教えてくれた
今、歯車はその回転を速めようとしている
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