子猫のおとむらひ/三州生桑
 
塵は塵に
猫は猫山に

私は、子猫のなきがらをビニール袋に入れて
野良猫の溜まり場になって居る、公園の山の中に入り
スコップが無かったから、マイナスドライバーで地面を削り
手で穴を掘った

さやうなら
罪なき子猫よ
おまへは、とても陽気で、茶目っ気があって
さうして落ち着きがなかったね

かさこそと音がして
振りかへると大きな三毛猫が私をうかがってゐる
私が殺したと思ってゐるのか知ら?
さう思はれてもしやうがないね

ねぇ、君
ここに皆を集めて
子猫の為に歌っておくれ
陽気な歌を歌っておくれ



花咲きて散りて子猫のおとむらひ
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