もうひとつの空/乱太郎
 
空は悩んでいた
そのときそのときで
表情がころころ変わり

僕は
知らなかったわけではない
それでも
ただ眺めることしか
できることがなくて

空は泣いていた
大地に抱かれたくても
そこには
降りるわけにはいかない

僕がひそかに
空の頬を
撫でたいと思っていたのを 
空は気づいていないみたいだ


呟くだけでは
届かない
紙飛行機を飛ばしても
届かない
白い風船を放しても
届かない



いつかの日のように 
眩い陽射しを降り注ぐ
あの空に

翼があれば
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