青空が逃げてしまった/ぽえむ君
 
ある日突然
街から空が飛んでいってしまった
青い空は街の向こうへと
逃げていってしまった
残されたこの場所は
街から出される煙で
空をつくっていった
灰色の空はきれいな灰色だが
それはこの街の結論でもあった
街の空はどんどん濃くなり
やがて黒い雨を降らせ
一晩中その雨は続いた
次の日は晴れていた
街以外の空は青かったが
街の真上には星が出ていた
街の人々は夜に起きて働き
夜の中で眠りに就いた
人々は暗い一日を恐れた
やがてまた灰色の空の日がやってきた
街はその空を守ろうとして
灰色の雲をつくり続けた
青空が逃げていってしまったことは
すでに街の人々の記憶の外にあった
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