chrysalid crack/黒山羊
陽炎は空気が熱されたからだと
薄々 気付いていた
視認し 綺麗にラッピングして送りつけ
そして声を聴き 満たされたとしても
隙間から冷水が湧き出続けて
真皮を冷やしていく
一言でいい
現在がリンクする瞬間が欲しい
ばかだな 何も変わらない
いずれまた溢れて
熱い苦しみに溺れるだろう
貴方から貰った燈火が燃え続ける限り
時の足音にも耐えられる
飢えが苛み 貴方の血肉を求める
私は知っている
絵に描いた果実でも腹を満たすことができる
傍に在ると信じられなければ
ぬくもりを感じることもできないだろう
滑車の上を走り続け
快楽を与え続けられてきたのなら
止まった景色は耐え難いだろう
只、好きだと叫ぶ以外に
百通りの方法がある
それをひとつずつ試してみよう
全てが誤魔化しだとしても
時間稼ぎにはなるから
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