「 春からぼくは、 」/PULL.
 
んなもんじゃまだまだ、
 好きな女は口説けんぞ。」






八。



総統の酒癖が悪いのは、
先輩に聞いて知ってはいたが、
まさかあれほどとは思わなかった。
想定外だった。
夕べは途中から、
ほとんど記憶がない。
総統と副総統とのなれそめ話までは、
なんとか覚えているのだけど…。

何か重要な秘密を、
話されて、
それを、
忘れているような気がする。


なんだったけ?。


最後に、
酔いつぶれて歩けなくなったぼくを、
車で部屋まで送ってくれた、
あの女性。

あれは誰だったのだろう。

今まで見たことないぐらい、
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