埋葬/はじめ
木に登った 景色が見えた
君の街並が海岸に沿って大きく左にカーブしている
僕は時間のことを忘れた すると本当にこの世界から時間は無くなっていった
ここの眺めは最高だ まだ昼ご飯を食べてないので昼だと思った そういう概念は必要なのであった
僕は降りたくなかったが昼ご飯の握り飯を取る為に下に降りた そして風呂敷からいびつな形の握り飯を三個取り出して また木へと駆け上った
もう僕はここから動きたくなかった 春ならばここから傾斜状に満開の桜が君の街を覆い尽くしていただろう そんな景色を見たかった けどもう遅かった 名の知らぬ鳥が飛び回って 翼で桜に埋葬された君の街の上空を切り刻んでい
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