ジャンキー/柴田柴助
いつも通り薬を飲んで
睡眠効果があらわれた時
ふと、アメリカのジャンキーなものが食べたくなる
それは壁をゆっくりなぞるように
穏やかで、かつ思考回路が逆回転しているに違いない
昔、主食が薬だったとき
ジャンキーはつまみで
バーテンダーをよく困らせていた
なでた指先、壁さらり
ある意味ジャンキー
ドラッグジャンキー
もう日が暮れた
せめてジャンキーから抜け出せたら
きっと、壁の汚れも落ちるだろう
おやすみなさい
ジャンキーな私から
ジャンキーな私へ
せめて、夢見の時間だけは綺麗な指先で夢をなぞりたいものだ
結果オーライ
いつまでもイストな私
眠気までも、ジャンキーになりつつある
生きるとは
ジャンキーレベルでいくらでも長生きできるさ
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