終戦/東風
 



狂っているのは私なの?
貴方を奪っていくものが 正しいはずなんてない

敬礼したその腕は壊すためじゃなく
私を護るためにあるのだ と 言ったくせに

それなら一緒に逃げてくれればよかった

瞳をあわせ 手を握りあった木の下
必ずまたこの場所で と 言ったくせに

未だ貴方は帰らないじゃない

涙が落ちる 手から温もり消えていく

狂っているのは私なの?
貴方を奪っていくものが 正しいはずなんてない

私の知らぬ地
赤く汚れて
貴方は散った

いつもの木の下
炎に包まれ
私は枯れた

狂っているのは私なの?
貴方を奪っていくものが 正しいはずなんてない

国のために死ぬくらいなら
私のために生きてくれれば

あの木はもうないそれでも待ってる


狂っているのは私じゃない
貴方を奪っていくものが 正しいはずなんてない

ねぇ 帰って来て




戻る   Point(2)