海を目指した割り箸/ぽえむ君
 
海を目指した割り箸は
川の途中で石にひっかかった
体を縦にしても横にしても
前に進まなかった
石を超えられるほどの水かさもなく
ただその場に押さえつけられた
自分が目指したのは
こんな壁なんかではない
陽の光できらきらと輝く
大海原の中に浮かぶことだ
いかだのようになって
世界中の海を旅をしてみたい
しかし目の前の石は憎らしいほど
真っ黒い姿で立ちはだかる
押し流す水の力は徐々に
弱くなってきている
まだ流れ始めたばかりで
こんなところに留まっているような
自分なんかではない
割り箸はそう自分に言い聞かせた
せめて棒か何かあれば
割り箸は自分に引っかかる棒を
空を見上げながら待っていた
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