さくら前線/なつ
 
うすももいろの、想いを。

((ざわめくんだ 花としての 行く末
 湖面に映る すがたと映らない 決意と
 花弁のひとつ ひとつが 私を構成し
 世界を 季節をまたごうとする 
 おおきな想いの手のひら、
 少しずつ 赤めいて 散るときを知る
 いつかこの手を 放す日が来るのだと))

たいせつな背中を見送るように
 ながれてゆく 風  。

((最後までしなやかになれないまま
 立ちつくす 枝のように わたし
 ほんの一瞬だけ 色づいて
 咲いたのは まるで刺すような痛み、で)) 
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