独り遊び/柴田柴助
 
『独り遊び』
 
静かな海を眺める
何一つ言わず
誰に声をかけることもなく
静かな海で
静かに独りぼっちになる
 
波は小さくちょこちょこ押し寄せ
僕の心はそのように静かで
ずっと心の底にある何かに似ている
 
鳥が一羽まぎれ込み
静かな海に ぱしゃりと
小さな波を 立てる
僕と鳥は
互いに静かに独りぼっち
 
独り遊びは
海の外を歩くこと
それは
僕ら人間の義務とか権利ではなく
自由という
独り遊びなのである
戻る   Point(1)