蝋燭と闇/はじめ
こんな空の夜には詩を書こう
蝋燭の炎が微かに揺らめいて蝋燭の液状が受け皿に垂れていく
部屋の暖かい闇が蝋燭の炎に合わせて揺れていてその存在に気付くと僕と一体になる
窓からは満天の夜空が覗いていてこの部屋に光が射し込んでいるが この部屋全体を照らすことはできない ましてやこの暗闇を中和させてかき消すことはなどできない
この部屋は何処か高く宙に浮かんでいるような気がする ちょうどあの星と同じような高さに
僕はせっせと詩を書き続ける 白いカラスの羽ペンとインクで モーツァルトが一度も書き直さずに楽譜を書いたようにすらすらと
詩の言葉は無限の宇宙を流れる 太陽系を越えて銀河系を越
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