出張/プテラノドン
 
二階から、
木漏れ日が差し込む無人のロビーを眺める。
これがぼくの仕事なのだと言い聞かせながら。
それから退屈が巻き起こす余計なものに
飲み込まれる。書類にじっと目を通す。
窓の外からまぎれもない潮風が入ってくる。
こういうのも悪くないと、海へ行く。
波は打ち寄せるだけ。身悶えするぼくを
越えてゆかない。「アホだな」と言う。
傾きかけた夕日を見て激しく嘔吐する。
感傷は容赦ない!

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